
米良美一の美神讃歌
メラヨシカズノビシンサンカ
- 著: 米良 美一
愛、喜び、苦悩、癒し
カウンターテナーの第一人者が初めて語りつくす生きること、歌うこと
ひとりの人間であるわたしは、歌に支えられ、歌を糧とし、そして、この歌を神として愛し、すがっています。「アヴェ・マリア」を歌うとき、とても気持ちがよくて、大きな優しいものに包まれているように感じるのは、まさに、わたしにとってこの歌が神だからでしょう。──(「宝物の6曲をえらんだ理由」より抜粋)
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目次
●CD・コンテンツ
・1 夜来香[イエライシャン]
この歌はわたしにとっては、とても華やかで、艶やかで、生気に満ちた、でも、どことなく哀しげで、イメージを限りなく広げてくれる名曲です。タイトルまでも妖しくて、恋ってきっとそんなものなのでしょう。
・2 ゴンドラの唄
大正時代のロマンを感じさせてくれる詩で、淡い恋心とともに、強い意志を感じます。
・3 宵待草
夢二の、愛する女性への断ち切れぬ想いを歌ったものといわれていますが、この歌のなかにあるような「やるせなさ」を、わたしは、この先、何回味わえるのでしょう。
・4 城ヶ島の雨
とても芸術性の高い歌です。少年のころ、民謡をかじったわたしとしては、身体にも心にもとてもフィットした歌で、いつもこぶしに力を入れてしまいます。
・5 懐かしい木陰よオンブラ・マイ・フ
大好きな歌で、コンサートでは毎回のように歌っています。恋に疲れたら、木陰で休みましょう。
・6 アヴェ・マリア
わたしは、歌に支えられ、歌を糧とし、この歌を神として愛し、すがっています。歌いながらも、大きな優しいものに包まれているように感じているのです。
●エッセイ・コンテンツ
・──好きな歌を、好きな場所で歌う
なぜこんなに歌うことが好きなんでしょう。わたしが満ちたりた人生を送るためには歌が必要なのです。
・──愛することは、歌うこと
わたしは愛を告白するときは、歌います。愛の歌を歌い、愛の寝技をかけるのです。
・──前略 美空ひばりさま
美空ひばりという天才の、歌のすべて、生き方のすべてが、わたしを励まし、慰めてくれるのです。
・──「ご近所のアイドル」だった幼い日々
幼かったわたしは、自分の歌と台詞で、大人に涙を流させることができるということに快感を感じていました。
・──少年の日の恋
憧れの人からもらった1本のテープ。松田聖子への実らない恋がそこから始まった……。
・──憧れの東京、音大を受験
高校生になってもまだ身のほど知らずで、夢はアイドル歌手。で、わたしが思いついたのは、東京の音大に入ることでした。
ほか
書誌情報
紙版
発売日
1998年07月01日
ISBN
9784062092951
判型
A5
価格
定価:3,300円(本体3,000円)
ページ数
63ページ