崩れた街の足ながおじさん

崩れた街の足ながおじさん

クズレタマチノアシナガオジサン

阪神大震災……絶望と悲しみに沈む街に希望と感動が走る。
罹災を通じて、わたしたちは苦悩や痛みとともに、人々の美しい心に触れることができた。豊かさの中に驕(おご)り、生命へのいたわりや慈しみを忘れそうになっていたわたしたちに、阪神大震災は「生きる」とはどういうことなのか、を問いかけてきたのである。

地球社会的生き方を求められる21世紀を目前にして、日本の企業も、そこに働くわたしたち1人ひとりも、社会的責任、社会貢献の姿勢が問われ、会社人間から、社会人間への転換が求められている。阪神大震災は、企業とそこに働く人人に対して、その姿勢を鋭く問うリトマス試験紙の役割を果たしたといえよう。――本書「まえがき」より

1995年1月17日午前5時46分、淡路島北部を震源とするマグニチュード7.2の地震が神戸市を中心とする兵庫県南部を襲った。阪神大震災である。高速道路は崩れ落ち、鉄道のレールは飴のように曲がった。大地は裂け、建物は倒壊し、街は一瞬のうちに形を失い、廃墟と化した。死者は6300人を超え、負傷者は4万3000人余り、家屋の全半壊20万戸以上にもおよぶ大災害であった。避難者数は当初32万人にも達したという。ライフラインも壊滅的な打撃を受け、懸命の復旧努力にもかかわらず、復旧までの日数は電気3日、電話14日、水道40日、ガス70日を要した。瓦礫のなかで茫然と立ちすくむ人々を励まし、奮い立たせたものは何だったのか。企業のトップは何を決断し、どのように行動したのか。本書は、大災害のなか、敢然と救援に立ち上がった勇気ある企業とそこに働く人々のドキュメントである。


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書誌情報

紙版

発売日

1998年08月17日

ISBN

9784062093064

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

254ページ

著者紹介