ドイツを読む愉しみ

ドイツを読む愉しみ

ドイツヲヨムタノシミ

文芸(単行本)

精神の欲求と憧れをもつことその悦びと安らぎ
ドイツの音楽と文学に魅せられたエッセイ集

この50年のあいだ、世の風潮は、ドイツなるものの観念性、理屈っぽさ、現実や外部の喪失、表現の佶屈と不透明を非難、否定することが多かった。しかし私はそれに同調する気持ちになったことは、まずなかった。種々の難点弱点をかかえてはいるだろうが、ドイツの文学と音楽は私によく波長が合い、私は精神の勇躍と安らぎを得ることができたからである。
「精神的な欲求と憧れをもつこと、それはすでに安らぎだ」――一言でいえばそんな思いを、この本に収めた各篇は変奏しながら語っている筈である。――あとがきより


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

1998年09月25日

ISBN

9784062093736

判型

四六

価格

定価:2,530円(本体2,300円)

ページ数

276ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    バッハ・エスキス

    初出

    『バッハ全集』(小学館)11 1996年7月20日刊

  • 作品名

    謎としてのモーツァルト

    初出

    『モーツァルト全集』(小学館)6 1991年11月20

  • 作品名

    内部(を/から)敲く音 ベートーヴェンを読む

    初出

    『群像』1998年6月号

  • 作品名

    変幻のエントロピー シューベルトを読む

    初出

    『群像』1997年7月号

  • 作品名

    「小々波のうねり」と「現代思想」と 森外を読む

    初出

    『群像』1996年9月号

  • 作品名

    蕩漾する文人 登張竹風を読む

    初出

    『群像』1997年10月号

  • 作品名

    Unio Poeticaの時へと……片山敏彦を読む

    初出

    『群像』1997年1月号

  • 作品名

    魂と思弁 阿部六郎を読む

    初出

    『群像』1997年4月号

  • 作品名

    聖なる無心 手塚富雄『ヘルダーリン』

    初出

    『海』1981年3月号

  • 作品名

    認識と遍歴 竹山道雄の思考系

    初出

    『新潮』1984年8月号

  • 作品名

    詩文淡雅 富士川英郎の学風

    初出

    『ポエティカ』1992年1・2月号

  • 作品名

    詩人のアルケオロジー ヘルダーリンを読む

    初出

    『群像』1996年2月号

  • 作品名

    『晩夏』の無限時間 シュティフターを読む

    初出

    『群像』1992年2月号

  • 作品名

    鷹の眼差し ホフマンスタールを読む

    初出

    『群像』1994年9月号

  • 作品名

    伐り倒されたポプラ リルケを読む

    初出

    『群像』1995年2月号

  • 作品名

    書物の出現 ビルショフスキ『ゲーテ』をめぐって

    初出

    『図書』1996年6月号

  • 作品名

    最小至純のロマン派 ヴァッケンローダーについて

    初出

    『図書』1997年3月号

  • 作品名

    茅野蕭々『リルケ詩抄』のこと

    初出

    『図書』1998年7月号

著者紹介