中国人は富家になるために食べ続ける

中国人は富家になるために食べ続ける

チュウゴクジンハカネモチニナルタメニタベツヅケル

いつでも食べる、なんでも食べる!
食べてかなえる「富」への願い!
西太后も、北京の街角に生きる庶民も、「富家」になりたいのはみな同じ。燕のスープから餃子まで、4000年続いてきた食から見えてくる中国人の生き様、心意気。

日本でいえば「東大合格用縁起粥」ともいうべきこの及第粥には、筆者もお世話になったことがある。科挙とも東大ともぜんぜん関係なく就職試験の時である。(中略)苦しい時の神だのみとばかりに、広東料理屋をさがし、その時はじめて「及第粥」とやらを食べた。そのおかげかどうかわからないが、無事試験に合格して今日のような素養を身につけるようになったのであるから、考えてみればおかしな話である。
中国では、入試の時はもちろん、就職試験だとか、そのほか、結婚のための見合いの時、ひどいのになると借金をたのみに行く時ですら、縁起をかついで及第粥を作って食べて出かけるというのだから、何をかいわんやである。――本文19ページより抜粋


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目次

第1章 富家になるために粥を食べる
第2章 食べてこの世に生き続ける
第3章 人の縁を食でつなげる
第4章 この食に4000年の歴史がある
第5章 美味を逃がしたら中国人にあらず
第6章 他の誰も食べないものこそ食べてみる

書誌情報

紙版

発売日

1998年10月27日

ISBN

9784062094337

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

250ページ

著者紹介