
熱い河
アツイカワ
- 著: 三宅 雅子
パナマ運河開削に心血を注いだ、たった1人の日本人青山士(あきら)。
20世紀のもっとも大規模にして、もっとも困難をきわめた土木工事が「パナマ運河開削工事」である。たった1人だけ、この難工事に身を投じた日本人土木技術者がいた。一通の紹介状を手に、単身、太平洋を渡った若き日の青山士である。
祖国を遠く離れた異境の地、マラリアや黄熱病が猛威をふるう劣悪な自然環境。日露戦争の勝利に沸く当時の日本だったが、地球の裏側には、人種差別と戦いながら日本人としての誇りを失わず、パナマのジャングルで、運河開削に全身全霊を捧げる青山がいた……。
「私はこの世を私が生まれてきたときより良くして残したい」という青山の想いと、過酷な現実との相剋、2万5千人もの犠牲者を出したパナマの難工事に、技術者の魂が、夢が、そして敬虔なクリスチャンの精神が輝く……。
荒川放水路、信濃川大河津分水自在堰など、数々の河川工事を指揮して暴れ川を始め、日本の土木史に偉大な足跡を残した技師・青山士の進取と苦闘の青春!
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書誌情報
紙版
発売日
1998年12月10日
ISBN
9784062094696
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
263ページ