
狐のあしあと
キツネノアシアト
- 著: 三浦 哲郎

日々の暮らしを彩るささやかな歓び
郷里への想いと忘れ得ぬ面影
かけがえのない人生の恵みを磨きぬかれた文章で綴る名随筆50篇
私は、この十年来、一篇が20枚そこそこの短篇小説を連作する仕事に熱中している。また、持病を制御し損ねて、心ならずも仕事から遠ざかるのを余儀なくされることがしばしばであった。暮らしの余裕から生まれる随筆の収穫が乏しかったのも、仕方のないことだと思っている。
収穫が乏しかったばかりではなく、意に満たないものがすくなくなかったのだが、これもまた冬の朝の狐のあしあとのように、容易ならぬ歳月をとぼとぼと歩きつづけてきた自分自身の消し難いあしあとなのだと思うことにして、せいぜい捨てずに収録した――「あとがき」より
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
1999年01月26日
ISBN
9784062095549
判型
四六
価格
定価:2,420円(本体2,200円)
ページ数
202ページ