洛陽の姉妹

洛陽の姉妹

ラクヨウノシマイ

文芸(単行本)

男たちが殺し合うなら、女は情を尽くし抜く──。
三国時代が終わり、新たな動乱の世を迎えた。洛陽の都で数10年ぶりの再会を果たした姉妹の上にも、運命は容赦なく襲いかかった……。
表題作ほか「趙氏春秋」「曹操と曹丕」など抒情あふれる中国短編小説集。

明日は都へ入ると思うと、おのずと心が引き締まり、そのために眠れないのだろうかと、春暉(しゅんき)はおのれの心をふり返ってみた。50年、生きてきた間には、幾度も憂い目、辛い目に遭い、人並よりは肝も据わっているつもりだったが、それでもこんどばかりは、いくらか怯(ひる)みを覚えるのだろうか。
もう幾年も、春暉は都にいる妹に、手紙を送り続けてきた。……けれどもただの1度も、返事はなかった。その妹を、春暉は訪ねようとしている。果たして妹に会えるだろうか。──(本文より)


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書誌情報

紙版

発売日

1999年03月05日

ISBN

9784062095679

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

228ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    趙氏春秋

    初出

    『季刊歴史ピープル』1998年盛夏特別号

  • 作品名

    胡服の王

    初出

    『季刊歴史ピープル』1998年盛秋特別号

  • 作品名

    呂娥の涙

    初出

    『季刊歴史ピープル』1996年盛夏特別号

  • 作品名

    曹操と曹丕

    初出

    『季刊歴史ピープル』1996年陽春号

  • 作品名

    洛陽の姉妹

    初出

    『季刊歴史ピープル』1997年陽春号

著者紹介