
遺体鑑定
イタイカンテイハガカタリカケテクル
- 著: 鈴木 和男

たった1本の歯が、悲しい真実を明かし犯人を追いつめる!!
「この私は、どこの誰か」「犯人はどの人か」現場に残された歯は、さまざまなメッセージを発している。日航機事故、宮崎事件、ロス疑惑などの有名事件をはじめとして、数多くの現場で鑑定してきた「法歯学(ほうしがく)」の第一人者による事件の真相。
「またバラバラか……」解剖台の上には泥にまみれた頭蓋骨がのせられ、そのまわりでは睡眠不足の目をした警視庁の刑事たちが、私の到着を待ち受けていた。(中略)「ホシ(犯人)の目星はついてるの?」「わかっちゃいません。なにしろ手がかりになるものがないんで。でも、この歯に特徴があるらしいんですよ」歯に特徴があり、他に手がかりがないとすれば、たしかに私の出番だろう。いつものように肉眼所見を述べると、刑事たちはただちにノートに鉛筆を走らせる。「この人は女性ですね。しかも若い」「ははあ、そうですか。……もっともこれがあったんですが」そういって、ベテラン刑事は残されていた女性の局部をもち出してきて示した。──本文64ページより抜粋
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目次
第1章 悲しみの犠牲者たち
第2章 どこの、誰なのか
第3章 犯人特定
第4章 日航機事故の鑑定現場
第5章 かけがえのない命
書誌情報
紙版
発売日
1999年04月15日
ISBN
9784062096744
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
214ページ
シリーズ
講談社の実用BOOK