ぼくらの先輩は戦争に行った

ぼくらの先輩は戦争に行った

ボクラノセンパイハセンソウニイッタ

本書のいたるところで、50余年の時空を超えた戦争体験の円滑な譲り渡しという奇跡が起きている。それが読む者を感動させずにはおかない。――井上ひさし氏絶賛

戦争について伝えたかった祖父の世代
未知の世界を聞きたかった孫の世代
元学徒兵たちの体験に触れ、学生は戦争をどう感じたか

「学生たちは、当然のことながら、「死」や「戦争」や「軍隊」を言葉でしか知らない。つまりそれは楽譜でしかない。しかし、聞書き作業を進めるにつれて、そしてそれを文章にまとめる作業を通じて、たとえば「死」という言葉に中身を詰め込まれ、そうこうするうちに実体を持つに至る。楽譜が空気の振動を伴う音になる。もっと云えば、聞書きとは、体験者の語りに合わせて単なる言葉に中身を詰め込み、言葉を実体化する作業のことで、この書物を読めばそのへんの機微がとてもよくわかる」――井上ひさし(近ごろの若い者も凄い)

先輩が出征した年齢とちょうど同じ世代の若者が、祖父にあたる元学徒兵から話を聞いた。コンピュータに徹底して取り組んでいる慶應湘南藤沢キャンパスの学生と、はるか半世紀以上前の戦争体験は、ある意味でミスマッチである。にもかかわらずインタビュー後も「祖父の世代」と「孫の世代」の交流は続いている。


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書誌情報

紙版

発売日

1999年08月02日

ISBN

9784062098076

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

310ページ

著者紹介