オペラ・チケットの値段

オペラ・チケットの値段

オペラ・チケットノネダン

オペラを「食い物」にしているのは誰か
ミラノのスカラ座をはじめ、世界の一流オペラ・バレエの舞台を“引っ越し公演”というかたちで日本で実現させてきた名プロデューサーが、わからず屋たちと渡りあってきた熾烈な40年間を包み隠さず語る。文化政策なき国家の顔の裏にひそむ、情けない「日本病」の実態がここにある!!

1979年にロイヤル・オペラの引っ越し公演を成功させた私は、80年にウィーン国立歌劇場を、さらに81年にはミラノ・スカラ座を呼んだ。もちろん、どちらも正真正銘の引っ越し公演である。スカラ座の公演は、とりわけ思い出深いものだった。(中略)なにしろ交渉に16年の歳月を費やしたのだから。(中略)芸術監督だったクラウディオ・アッバードが「シモン・ボッカネグラ」と「セヴィリアの理髪師」を指揮し、カルロス・クライバーがプラシド・ドミンゴで「オテロ」をミレッラ・フレーニで「ボエーム」を振ってくれた。あとで聞いたところによると、このプログラムの内容には、かのカラヤンも腰を抜かさんばかりに驚いたという。――「第1章」より抜粋


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目次

序章 日本の「オペラハウス」の奇々怪々
第1章 本物のオペラをどうしても観てみたい
第2章 誰よりもオペラ、バレエを愛して生きてきた
第3章 「オペラ・ブーム」の正体
第4章 オペラ・チケットは高すぎるか
第5章 たとえ終わりなき闘いでも

書誌情報

紙版

発売日

1999年09月17日

ISBN

9784062098809

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

230ページ

著者紹介