墜落の背景(下)

墜落の背景(下)

ツイラクノハイケイニッコウキハナゼオチタカ

人間と、人間が作る組織の危うさをえぐる
羽田事故、そして御巣鷹山事故……。悲惨な事故が残した教訓を「無」にしないために、元事故処理担当者の「安全」への悲痛の叫び!

私がサラリーマン生活を通して幾度となく見たものは、無残にも破壊された事故現場に飛び散った、焼け焦げた航空機の残骸や貨物や手荷物、そして、旅客の変わり果てた姿だった。尊い人命を奪う航空事故は絶対に起こしてはならない──これが、人間としての正常な感情であろう。しかし、繰り返し引き起こされた航空事故の処理にあたっているうちに、私にはまた、「さまざまな人生のドラマをかかえて搭乗している旅客。そのドラマを優しく包み込んで大空を飛んでいる航空機。それを無残にも破壊する航空事故は絶対に起こしてはならない」という感情も芽生えてきた。そして、実際に事故処理に携わりながら、「もう航空事故はまっぴらだ」と叫び続けていた。本書を書きながらも、同じ叫び声が頭の中に響き渡っている。──「あとがき」より


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目次

第4章 責任の所在はどこに……
第5章 乗員健康管理体制の再構築
第6章 安全意識の崩壊

書誌情報

紙版

発売日

1999年10月29日

ISBN

9784062099196

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

276ページ

著者紹介