
小説家の起源
ショウセツカノキゲントクダシュウセイロン
- 著: 大杉 重男

今、秋聲を読み直す。
徳田秋聲、日本自然主義文学への硬直したままの通念を破壊し、秋聲のテクストから小説家自身も聞かなかっただろう音を響かせた、意欲的な評論集。
「近代小説」批判そのものを、根本的に問い直した、群像新人賞当選作「あらくれ」論を収録。
私が秋聲について考える勇気を与えてくれたのは、たとえば「エクリチュールを発見しようとか、物語なりを敵として見る人間にとっては、秋聲はちょっと大きかったなという感じがあるんですよ」という中上健次の言葉だった。(中略)私は宙づりにされたままなかったことにされているこの中上の問いに、批評の側から答えてみたい野心にかられた。──「あとがき」より
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書誌情報
紙版
発売日
2000年04月20日
ISBN
9784062101042
判型
四六
価格
定価:2,750円(本体2,500円)
ページ数
252ページ
初出
収録作品参照
収録作品
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作品名初出
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作品名
畏怖と安易―『あらくれ論』
初出
『あらくれ論』を改題、「群像」1993年6月号
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作品名
帝国の縮図―徳田秋聲の戦争
初出
「群像」1995年9月号
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作品名
小説家の起源
初出
「群像」1997年12月号
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作品名
自然主義の荘厳について―『仮装人物』論
初出
「群像」2000年2月号