大帝の椅子

大帝の椅子

タイテイノイス

文芸(単行本)

ロシア宮廷に響く哄笑。豊かな歴史小説の出現!
大帝ピョートルに、愛人エカチェリーナを捧げた公爵メンシコフ。大帝の死の直後、公爵邸を訪れた東洋人の青年、その奇妙な行動は?

いまこの国の頂点にたった女帝エカチェリーナは、もとはといえばリヴォニアの農家の娘であった。スウェーデンの軍人に嫁いだ彼女は、やがてマリエンブルグの陥落とともにロシアの捕虜になり、最初ロシアの高官シェレメチェフの愛妾となった。当時ロシアの将軍たちは、異国の女を次々に愛人にして、それを互いに交換しあっていた。エカチェリーナは、やがてメンシコフの手に渡り、ついで彼女を見初めたピョートル(大帝)のものになったのである。異国の女を伴侶とすることを不潔と見る癇性や配下の者の手にあった女を娶ることに屈辱を感じる狭量さとは無縁であったピョートルは、まもなくエカチェリーナを正妻に迎えた。──本文より


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

2000年04月20日

ISBN

9784062101561

判型

四六

価格

定価:2,090円(本体1,900円)

ページ数

252ページ

著者紹介