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ラクテンヤ
- 著: 岡崎 祥久

この世界の迷子たち 群像新人賞作家の最新作
漂泊の魂が声を放つのだ──ここではないどこかへ!と。30過ぎ、臍(へそ)の緒つき。無為徒食のクズ男といかれた女たちのさすらい。独自のユーモアと繊細なセンスで時代の空気を映すあたらしい文学
この世界に生まれ降りたときにわれわれは、いったいどこに立っていたのか?そんなことはわかっている。そこはネパールの言葉で《世界の頂(サガルマサ)》と呼ばれる山のてっぺんによく似た場所であった。──そう、誰もがあそこから出発した。山の頂のあの場所からは、星々が明瞭に見えていた。けれどもわれわれは、山をくだらねばならなかった。それこそがわれわれの運命だったのだ。
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書誌情報
紙版
発売日
2000年07月05日
ISBN
9784062102148
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
268ページ
初出
「群像」 「なゆた」 1997年12月号発表分を改稿 「孤独のみちかけ」 1998年5月号 「楽天屋」 2000年2月号