
まぼろしの夏 その他
マボロシノナツソノタ
- 著: 佐伯 一麦

9つの短篇最新作品集
ほの暗い生の奥底から射し始める再生の淡い光
仙台の川べり、ノルウェーの空の下、押し寄せる想いの源流には何があるのか?9つの作品群を通じて浮かび上がる男の消息……沈潜の日々からのゆるやかな寛解を描く。
「……そういえば、私もかつては、自分自身が、夜な夜なうろつき回る夜鳥のようなものだった。あの頃も、頭上には月が上っており、鳥の声も聞こえていたはずだが。奇怪な声を立てている、とあんがい自分の方が、夜鳥たちから怪しまれていたかも知れない、と思った」――(「あとがき」より)
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書誌情報
紙版
発売日
2000年09月21日
ISBN
9784062102988
判型
四六
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
208ページ
初出
嫌犬記「新潮」92年1月号 まぼろしの夏「群像」95年1月号 神の森「朝日新聞」99年10月2,9,16,23,30日 凍土「群像」98年1月号 庵女「i feel」99年春号 野蒜「一冊の本」96年10月号 ターン「小説新潮」2000年1月号 なめし「群像」00年1月号 青葉木菟「新潮」00年7月号