泪壷

泪壷

ナミダツボ

文芸(単行本)

10年に一度、特別作品集
愛のかたち、死のかたち!
若くして逝った最愛の妻の骨を手放したくなくて……肉体と心の交叉する瞬間を、名文で鮮やかにとらえた秀作!

一方、これを書く側からみると、長篇はなにか堂々と、人生や人間と正面からぶつかり合うような感じがあるのに対して、短篇を書く場合には、それらのある断面を取り出し、切り開いてみせるような感触がある。例えがおかしいかもしれないが、1本の大根を、長篇小説では縦に、芯のところを真っ二つに割っていくのに対して、短篇小説は1点だけ輪切りにして、その水々しさを示すような手法である。次に小説のテーマだが、これは基本的に長篇も短篇も変りはなく、端的にいって、人生や人間のなかに潜む「理でないリアリティ」みたいなものを抉り出すことだと考えている。――あとがきより


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

2001年04月05日

ISBN

9784062105125

判型

四六

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

ページ数

208ページ

初出

備考参照

著者紹介