秘画 御書物同心日記

秘画 御書物同心日記

ヒガオショモツドウシンニッキ

文芸(単行本)

珍本の集まる将軍家には、奇怪な事件も出来(しゅったい)する。
嫁入り道具の絵巻物を担保に、大名家が古本屋に金を借りにきた。目利きを頼まれた御書物同心の丈太郎は、極彩色の春画にうろたえる。

紅葉山御文庫の最大行事「御風干」が始まった。土用の入りから60日かけて行われる、書物の虫干しである。天候が順調なら、連日1千冊を干す。御書物方同心にとって、いちばん忙しい時節だ。日程もあと7日を残すばかりになったとき、9代将軍家重遺愛の巾箱本(きんそうぼん)がなくなった。紛失した書物の名を聞いて、丈太郎はのけぞる。前日古本屋から手に入れたものと同じだったのである。


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書誌情報

紙版

発売日

2001年02月13日

ISBN

9784062105422

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

272ページ

初出

「小説現代」                          目録 1998年11月号 秘画 1999年2月号 袖珍 1999年5月号 素麺 1999年8月号 松茸 1999年11月号 土蔵 2000年2月号 蓮実 2000年4月号

著者紹介