
病が語る日本史
ヤマイガカタルニホンシ
- 著: 酒井 シヅ
歴史上の人物の死因解明とその現代的教訓。
日本武尊の死因・脚気の原因はいつ明らかにされたか?
もし武田信玄がガンで急死しなかったら?
具体的な謎解きを通して、日本人の病気との闘いのあとをたどる。
著者の酒井氏は、日本の医学史研究の第一人者であり、私も歴史小説の筆をとる時、しばしば氏のもとを訪れて御教示を得てきた。医学史についての知識は多方面にわたっていて、その豊かさは驚嘆すべきものがある。
その氏が、病を通して日本史を語るこの著書には、氏の知識が存分に駆使され、病の絵巻物を見るような彩りがある。当然のことながらたしかな忠実にもとづいた内容で、私自身の知識も新らたにふくらむのを感じる。
人間が決して避けられぬ病を通して日本史を見つめるという、着眼が素晴しい。無数の人々によって形づくられてきた日本の歴史が、より豊かなものになって浮びあがってくる。――(吉村昭)
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
2002年05月20日
ISBN
9784062105668
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
272ページ