湖賊の風

湖賊の風

コゾクノカゼ

文芸(単行本)

衆を恃(たの)まず、将に屈せず。
歴史は名も無き英雄を生んだ!

琵琶湖の利権を我がものとする、湖賊とおそれられる船道(ふなど)衆とその背後に控える比叡山延暦寺。
己を縛る全ての掟に抗って、戦い続けた男の数奇な生涯。

室町中期、都へ物資を運ぶ水運の要・琵琶湖では、その権益をめぐりさまざまな勢力がひきしめあっていた。とくに最重要地・堅田(かたた)には、湖上の航行権を押し売りする「湖賊」とおそれられる船道衆たちが激しく争い、その背後では延暦寺(山門)が絶対的な権力で君臨していた。さらに蓮如率いる新興の本願寺門徒も、商工民ら全人(まとうど)衆を支え、機をうかがう。
そんな中、諸勢力に全く与しないひとりの異端児がいた。その名は、魚鱗(ウロクズ)。天才的な操船術を持ち、自分を縛るもの全てを嫌い、誰の配下にも属さず、自由に生きようとする。
湖国の王への道を進む男の戦いを描く、怒濤の歴史小説。


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

2001年08月09日

ISBN

9784062107853

判型

四六

価格

定価:2,200円(本体2,000円)

ページ数

348ページ

初出

備考参照

著者紹介