
明け方の猫
アケガタノネコ
- 著・その他: 保坂 和志

世界とはまさにこのようなものだった
夢の中で猫になった人間が〈世界〉と出会う「明け方の猫」、幻のデビュー作「揺藍」を収録する傑作小説集。
でも総体としての“世界”なんて本当にあると言えるのだろうか。“世界”なんてものはやっぱり人間が作りだした抽象の最たるもので、あるのは猫や人や犬や虫や木や花や土で、しかもそれは1匹1匹それぞれの猫や犬や虫や1つ1つそれぞれの木や花や土のことで、そこに流れる風やそこに降る雨やそこに射す太陽の光といったそういうものだけなんじゃないだろうか。――「明け方の猫」より
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書誌情報
紙版
発売日
2001年09月25日
ISBN
9784062107990
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
176ページ
初出
「明け方の猫」群像2001年5月号 「揺籃」雑誌未発表
著者紹介
著・その他: 保坂 和志(ホサカ カズシ)