噂の娘

噂の娘

ウワサノムスメ

文芸(単行本)

あの娘たちは、今どうしているのだろう
時はゆらぎ、光はきらめき、記憶は風と共に散る
-傑作長篇小説-

1950年代、夏から秋にむかう季節の数日間、幼い弟と〈私〉は母親の友達の女世帯の美容院にあずけられる。遠いどこかの町で、父親が突然病気で入院したから……。
〈私〉のあやふやな不安と夢想が物語の微熱を発し、若い娘たちは恋愛小説を読み、恋をして、髪を結い、映画(メロドラマ)を見て、爪を染め、ドレスを縫い、夢見ては、吐息をつく。
商店街の片隅の美容院の鏡に映じて消える重層的な映像(イマージュ)。おびただしい噂話の破片とメロドラマが〈歴史〉のなかに無数のかけがえのない瞬間を刻み込む。


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書誌情報

紙版

発売日

2002年01月07日

ISBN

9784062109864

判型

四六

価格

定価:2,530円(本体2,300円)

ページ数

320ページ

初出

『群像』’97年10月号~’01年10月号連載

著者紹介