いつもお兄ちゃんがいた

いつもお兄ちゃんがいた

イツモオニイチャンガイタ

気がつけば彼の背をこえていた

これは、本当にあったことなの?
思い出を手でさわって確かめることができたら――。
――わたしが見たのは、わたしがきいた声の主は……
お兄ちゃん、そう、大好きなお兄ちゃん。
すてきで、物静かで、賢いわたしのお兄ちゃんなんだ。
でも、前とそっくりおなじお兄ちゃんではありません。それは……
――(本文より)

少女におとずれた突然の兄の死。ポケットにつっこまれた手、立ったままのジャケットの襟、櫛を入れてないくしゃくしゃの髪。手を伸ばして、お兄ちゃんにさわれたら……。
悲しみの気配ただよう、美しくひっそりとやさしい物語。


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書誌情報

紙版

発売日

2001年12月10日

ISBN

9784062110532

判型

A6

価格

定価:1,045円(本体950円)

ページ数

96ページ

著者紹介