
「ひきこもり」だった僕から
ヒキコモリダッタボクカラ
- 著: 上山 和樹
生きることの不安、家族・人間関係の摩擦、社会的孤立感……
誰の心の中にもあるどうしようもないジレンマ、
人生へのおののきを赤裸々に語った感動の書!!
塾での成績、1年の終わりにトップ。
このまま、灘から東大に行くんだ。みなぎる自信。(39p)
父が1ヵ月間、家に帰ってこなかったことがあった。
理由を母に尋ねると、「なに言ってんの、毎日帰ってきてるよ」。……心底ゾッとした。「オトナになる」には、ここまでやらないと許してもらえないのか。(40p)
「ごめんな、お母さん。あきらめてくれ。俺は、お母さんの失敗作や」
「何てこと言うの……」泣きだす母。(83p)
僕は「弱い人間だ」……そのことのどうしようもなさに身もだえしていた。(100p)
僕は、自分の意志でこの世に生まれてきたのではない。
気がついたら、「ここにいた」。
まわりに、得体の知れない世界。
いつの間にか成立していた、〈自分〉というもの。
引き受けようと、努力した。
「与えられた自分」を「自分で選び取った自分」に転化させようとして失敗し、途方に暮れてしまったのがあの状態だった……
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書誌情報
紙版
発売日
2001年12月13日
ISBN
9784062110723
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
240ページ