金と水銀―私の水俣学ノート

金と水銀―私の水俣学ノート

キントスイギンワタシノミナマタガクノート

環境汚染の現場を訪ねて日本全国からブラジルへ、ベトナムへ。
40年の研究成果を透徹した筆致でつづる入魂のエッセイ!

いのちの価値とは何だろうか――
「水俣学」とは人間の生きざまを問うまったく新しい学問である。

現場には無限の事実がある。わからなくなったとき、迷ったとき、現場に行ってみるといい。必ず答えがある。しかし、権威者になると現場からますます遠くなってしまう傾向がある。そして批判を嫌う。(中略)
現場に戻るということは実はあまりたやすくない。公式どおり、予想どおり、計画どおりには行かないのが普通で、面倒なことが多い。しかし、その事がその人を鍛える。私は現場から鍛えられ、教えられ、育てられた。そこで現場を離れまい、大切にしようとして、しばしば旅に出た。水俣は私の出発点であり、また終着点であった。――(終章「水俣学の模索」より)


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書誌情報

紙版

発売日

2002年02月22日

ISBN

9784062111065

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

232ページ

著者紹介