家族善哉

家族善哉

カゾクゼンザイ

文芸(単行本)

オカン、たよりにしてまっせ。
めげない家族の愛と侠気を描いた長編小説。

大阪の母と娘が、なんと高校の同級生に――。
高校2年で中退して娘を産んだ母親が、一念発起で娘と同じ高校に再入学。情愛を書かせたら大阪一の著者が初めて描いた、大阪らしいヘンな家族の笑いと涙の物語。

自分より大事な生き物がおる、という感情を美佐緒や新哉はいつ知るんやろう。
二人とも好きな異性がおるみたいやけど、そんなものとは比べものになれへんような感情を。
(石井咲子・34歳・主婦・高校2年生)

あかんやろな。なんぼ松田聖子が好きやったからっていって、SAYAKAのこと好きになる男なんかおれへんもんな。
(石井美佐緒・17歳・高校2年生)

俺はストーカーなんかとちゃう。ただ好きな女の子が住んでる家の壁だけでも見たかったんじゃい。
(石井新哉・16歳・高校1年生)

悪いこと言うたり、悪いほうに考えるのはようない。ええことばっかり考えよう。暴走族はコトダマっちゅうやつを大事にするねん。
(石井紘太郎・37歳・トラック運転手)


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書誌情報

紙版

発売日

2002年05月27日

ISBN

9784062111935

判型

四六

価格

定価:1,738円(本体1,580円)

ページ数

336ページ

初出

「小説現代」2001年6月号~2002年1月号

著者紹介