
をんなだゆう
ヲンナダユウ
- 著: 真野 ひろみ

天保の改革が、すべてを奪っていった……。
政(まつりごと)に翻弄されながら、芸の道に一途に生きた娘浄瑠璃の哀歌。
新進気鋭が書下ろす、長編時代小説
10年前の天保の改革の時、風紀を乱すということで、寄席や芝居小屋が厳しく取り締まられたことがあった。
その改革の中、娘浄瑠璃は、真っ先に寄席から締め出された。
江戸の風紀を乱す、淫らがましい演芸とみなされたのである。
その後、水野忠邦が失脚するに至り、にわかに規制のゆるんだ江戸市中には、「雨後の筍(たけのこ)」と揶揄されるほど寄席が乱立した。しかし、娘浄瑠璃だけは、いまだに興行を打つことを禁じられている。
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書誌情報
紙版
発売日
2002年05月10日
ISBN
9784062112512
判型
四六
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
298ページ