私の地球遍歴 環境破壊の現場を求めて

私の地球遍歴 環境破壊の現場を求めて

ワタシノチキュウヘンレキカンキョウハカイノゲンバヲモトメテ

地球のうめき声が、あちこちで聞こえる!!

125ヵ国に及ぶ踏査をもとに、地球環境問題をライフワークにし、民間大使に任命された著者の初めての全体験、書き下ろし!!

好奇心にまかせて世界各国を夢中で走り回っている間に、いつの間にか還暦を過ぎてしまった。数えてみたら、これまでに125ヵ国を訪れたことになる。「若いときに旅をしないと、年をとって物語がない」という仏文学者の北原武夫さんの言葉が大好きで、若い諸君にもよく話す。あり余るほどの「物語」ができた。
以前は盤石の大陸のように思えた物語が、年を経るに従ってあちこちが陥没して、いつの間にか群島のような断片になりつつある。何かを見たり聞いたりしたはずみに、記憶の水面下に沈んでいた断片がふっと浮かび上がってくる。群島が水没してしまう前に、「いつか」私の経験を次の世代に書き残しておかねばという思いに駆られていた。その「いつか」が、本書でやっと実現することになった。
私が環境問題に関わったのはまさに偶然である。5歳ぐらいのときから大学の卒業間近まで、生物学者になるつもりで植物採集や野鳥観察に明け暮れていた。ちょうど、第2次大戦の終戦時から高度経済成長期にあたり、日本の歴史のなかでもっとも環境が激変した時期でもある。だから、身辺の自然が崩壊していく過程を、子どものころから植物や鳥の世界の変化として気がついていた。――「まえがき」より抜粋


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目次

第1章  環境保護運動家の死
第2章  死に急ぐ先住民たち
第3章  飢餓キャンプの現実
第4章  砂漠の村のできごと
第5章  東欧の汚染地帯
第6章  中国の2つの大河
第7章  奪い尽くされる海
第8章  南極の緑の大草原
第9章  原発事故の余波
第10章 戦争が奪う人間と環境

書誌情報

紙版

発売日

2002年10月01日

ISBN

9784062114912

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

304ページ

著者紹介