極道の女房

極道の女房

ゴクドウノニョウボウ

「極道幹部の女(つま)」だから語れる「やくざ稼業」の内幕話!

賭博、ノミ屋などで稼いでも、上部組織への上納、弁護士費用の預貯金、夫や若い衆へのこづかいなどで、生活はいつもギリギリ。暴力団幹部を夫に持ち、自分を「ねえさん」と呼ぶ若い衆の世話に明け暮れる、心安らかならざる日々。

そのときが初めてではなかったが、1キロもの覚醒剤が私の目の前に置かれた。そのうち半分を夫が持ち去った。あとの半分をどこかに隠しておけと言う。それからすぐに、ガサ入れがあった。500グラムもの覚醒剤をどうやって警察の目から守れと言うのだ。百戦錬磨の警察なのだ。女の私が隠すところなど、とうにお見通しであろう。しかし、とっさの悪知恵というものは働くものである。私は娘の幼稚園バッグにそれを入れて、何食わぬ顔で娘を送り出した。何も知らぬ娘を、共犯にしたのである。――「はじめに」より


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目次

第1章 偶然の出会い
第2章 嫁ぎ先の家業
第3章 シャブと拳銃
第4章 男の出世と女
第5章 疑惑と過ち
第6章 手切れと再生

書誌情報

紙版

発売日

2002年09月19日

ISBN

9784062114998

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

256ページ

著者紹介