母なる天皇

母なる天皇

ハハナルテンノウジョセイテキクンシュセイノカコゲンザイミライ

世界で唯一の「天皇王朝」、最古最長のその永続性の謎を解き明かす。

「天皇女帝論」「天皇家存続の危機」も考察。
日本研究第一人者の渾身のライフワーク!!

15世紀もの長い歳月にわたり、日本のロイヤル・ファミリーはその地位を追われることも、その地位をおびやかされることもなかった。歴史学的ならびに社会学的な見地からすれば、天皇の王朝の連続性と一貫性はひとつの謎(エニグマ)である。
本書は、ジェンダー(性差)とディヴィニティ(神性)という分光装置(プリズム)をもちいることによって、天皇たちの謎に取り組もうとするものである。日本の君主たちはその多くが男性だったが、時代を経ても女性的な特質をずっと保持しつづけてきた。天皇の王朝の長命さは、天皇たちが父性的人間像(ファーザー・フィギュア)であるよりは、きわめて弾力性に富む「ソフトな」象徴的権力をふるう、母性的人間像(マザー・フィギュア)であった事実に由来するのではないだろうか。――「まえがき」より抜粋


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目次

第1章 天皇家長期存続の謎
第2章 女性統治者の出現
第3章 女帝全盛期
第4章 非力で女性的な天皇像
第5章 尊崇される「籠の鳥」
第6章 近代的父性像の構築
第7章 天皇の神格化と、その限界
第8章 謎多き武人天皇
第9章 母性的君主への回帰
第10章 天皇家存続の危機

書誌情報

紙版

発売日

2003年01月15日

ISBN

9784062116756

判型

四六

価格

定価:2,750円(本体2,500円)

ページ数

450ページ

著者紹介