黙りこくる少女たち 教室の中の「性」と「聖」

黙りこくる少女たち 教室の中の「性」と「聖」

ダマリコクルショウジョタチキョウシツノナカノセイトセイ

「中一少女手錠監禁致死事件」に代表される現代の闇に肉迫!!

スクール・セクハラで閉ざされた女生徒の心、病んだ教師たちの本性に、女性ジャーナリストが体当たりで迫ったルポルタージュ!!

いま、小・中学校、高校のセクハラは「スクール・セクハラ」と呼ばれるが、加害者は教師、被害者は教え子というケースが圧倒的だ(そのほかには、教師対教師、校長対教師、教師対PTAなどがあるが、本稿では省略する)。大人と子ども、男性と女性という二重、三重の力関係、権力関係が重なるから、被害の訴えが正しく受け止められ、救済されるのは、かなり難しいと言わざるを得ない。
さらに教育の場では、教師がすることは絶対であり、体罰をふるっても「教育的指導」だの、「愛のムチ」だのと言いくるめられてしまう構造があるから、スクール・セクハラも、同じ理由でもって隠蔽されてしまいがちだ。
また、スクール・セクハラという概念がないところでは、加害教師の加害意識が希薄であるばかりか、被害児童・生徒もそれを「犯罪」と理解し、みずからの「被害」を訴える段階にまでは行かない場合も多い。
それよりも何よりも、「先生がまさか……」「先生だけは信じていたのに……」と、被害を受けた児童・生徒の驚き、戸惑いは、信じられないほど大きなものとなろう。そして、その被害を公にすることに、どれほど逡巡していることだろう。――(「はじめに」より抜粋)


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書誌情報

紙版

発売日

2003年07月03日

ISBN

9784062119160

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

282ページ

著者紹介