
アンチ漱石 固有名批判
アンチソウセキコユウメイヒハン
- 著: 大杉 重男

「議論勃発」
日本文学を「漱石による拘束」から解放する。
漱石崇拝者はみな漱石神話の批判者である。漱石の責任を免除したまま漱石神話を批判することは、ラジカルであればあるほど保守的効果を生む。柄谷に限らず、漱石の名において小宮豊隆的漱石神話を批判する江藤淳から小森陽一まで反復されて来た身振りは、常に漱石神話をより強化し、新しい教養主義=官僚主義の形成を促すことに寄与して来た。漱石と漱石神話は分離し難く癒着しているのであり、漱石神話を批判するためには漱石そのものを批判しなくてはならない。――<本文より>
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
2004年03月28日
ISBN
9784062122085
判型
四六
価格
定価:2,640円(本体2,400円)
ページ数
330ページ