おっぱいの詩

おっぱいの詩

オッパイノウタニジュウイッサイノワタシガドウシテニュウガンニ

10年生存率75パーセント だけど私は、けっこう幸せ!

私のような20歳前後の乳がん患者は、統計上ゼロパーセントなんだそうです。でも、「楽しいことはしっかり楽しみ、悲しいことには慣れる」の精神で、免疫力アップ!仕事も恋愛もがんばるぞ!

「この写真を見る限り、9割の確率で悪性です」私の右胸のしこりのレントゲン写真を見ながら、やさしい目をしたその先生は、穏やかな口調で私と付き添いの母にそう言った。9割の確率で悪性……ということは、つまり、たぶん「がん」だってこと?がんという病気とは、まぁいろいろな事情からしてこの先私も無縁ではないと思っていたが、それはあくまでもずっと先の話。女性特有のがんの中で、若いうちから気をつける必要があるのは子宮がんくらいで、乳がんは、今の私にはこれっぽっちの可能性もないと思っていたのだ。――<「第1章 右胸の異物」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2005年03月12日

ISBN

9784062124911

判型

四六

価格

定価:1,572円(本体1,429円)

ページ数

270ページ

著者紹介