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旅をする裸の眼
タビヲスルハダカノメ
- 著: 多和田 葉子

「視力自身が裂け目なんです。だからまさにそこが見えないんです」
さまざまな<境>を越えて、わたしはあなたを見つめる。
社会主義国のベトナムから、東ベルリンへと向かう少女。ふとしたきっかけで、彼女は西ドイツ・ボーフムへと連れ去られてしまう。ボーフムから逃げ出した少女は、やがてパリへとたどり着く――。言語、国家、政治体制、さまざまな<境>を越え移動する少女は、行く先々で、カトリーヌ・ドヌーヴの映画と出会う。境界の向こう側に見えるものを生理的感覚で捉えた長編小説。
書誌情報
紙版
発売日
2004年12月19日
ISBN
9784062125338
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
278ページ
初出
『群像』’04年2月号