庭の桜、隣の犬

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庭の桜、隣の犬

ニワノサクラトナリノイヌ

文芸(単行本)

夫婦ってなんだろう?愛でもなく嫉妬でもない、何かもっと厄介なものを抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう?
傑作長篇小説

「そうちゃん、私いくとこないんだよ」房子は言った。自分たちのやっていることの馬鹿馬鹿しさを、そう言って房子ははじめて実感した。家はある。35年ローンの家がある。居間にも食卓にも無駄なものがいっさいない、清潔で静かな家はある。なのに自分はほっつき歩き、宗二は4畳半を借りている。「阿呆か」宗二は、自分の馬鹿馬鹿しさには気づかないふうで言う。――(本文より)


書誌情報

紙版

発売日

2004年09月30日

ISBN

9784062125895

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

290ページ

初出

『群像』’03年5月号~’04年4月号

著者紹介

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