
犯罪被害者の声が聞こえますか
ハンザイヒガイシャノコエガキコエマスカ
- 著: 東 大作
もう隠れない。もう泣かない。
被害者たちが立ち上がった!
国を動かした「全国犯罪被害者の会」2281日の記録。闘いはまだ終わらない。
「プロローグ 踏み出した一歩」より
この画期的な法律(「犯罪被害者等基本法」)が成立したのは、岡村勲さんや岡本真寿美さんをはじめ、それまでまったく声もあげられず、加害者を裁く刑事裁判にも参加できず、補償を受けることもできず、医療費まで自己負担を強いられ、社会から孤立し、1人苦しんできた被害者の人たちが、自らの手で立ち上がり、社会に訴え、運動を巻き起こしたからだった。犯罪被害者1人ひとりの悲痛な訴えを、メディアが受け止め、政治が受け止め、関係省庁の反対を押し切って、法律として成立させた。犯罪被害者という被害の当事者が、戦後一貫して変わらなかった「司法制度」の根幹を変えようと挑戦し、それが実際に「基本法」の形で国家の目標として掲げられたのだ。日本の戦後史、民主主義にとっても、歴史的な瞬間だった。
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書誌情報
紙版
発売日
2006年04月28日
ISBN
9784062125918
判型
四六
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
346ページ