埴谷雄高

埴谷雄高

ハニヤユタカ

文芸(単行本)

その文学と思想のオリジナリティーによって戦後日本に屹立する埴谷雄高。同じく独自の思考によって日本の思想界をリードしてきた著者の半世紀の集大成。
孤高の文学者・埴谷雄高と『死霊』への徹底的追究!

三輪家の子どもたちが、嫡出子と婚外子の区別なく共有するものは、うまれてこないほうがよかったという気分である。そのなかで主人公三輪与志は、しかしうまれた以上、あたらしい生をみずからつくることなく、すでにうまれたものを殺すことなく、自分をおわりまで味わってみよう、という考え方にむかう。(中略)その過程で、生きることにともなう不快を味わうことを、自分が生きる原動力にしたいと思っている。――<「『死霊』再読」>

加藤典洋「六文銭のゆくえ――埴谷雄高と鶴見俊輔」(書き下ろし58枚)


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書誌情報

紙版

発売日

2005年02月17日

ISBN

9784062127769

判型

四六

価格

定価:2,640円(本体2,400円)

ページ数

366ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    虚無主義の形成 埴谷雄高

    初出

    平凡社1959年、『共同研究 転向』上巻

  • 作品名

    埴谷雄高の政治観

    初出

    河出書房新社1991年、「埴谷雄高作品集3」

  • 作品名

    座談会 未完の大作『死霊』は宇宙人へのメッセージ

    初出

    『潮』’90年10・11月

  • 作品名

    手紙にならない手紙

    初出

    『太陽』1992年6月号

  • 作品名

    『死霊』再読

    初出

    『群像』1998年3月号

  • 作品名

    晩年の埴谷雄高 観念の培養地

    初出

    『群像』2002年2月号

  • 作品名

    埴谷雄高 状況の内と外

    初出

    『群像』2002年8月号

  • 作品名

    世界文学の中の『死霊』

    初出

    2003年講談社文庫「死霊2」解説

  • 作品名

    対談 『死霊』の新しさ

    初出

    『群像』2003年5月号

  • 作品名

    大阪夏の陣

    初出

    2003年<SURE>工房、詩集「もうろくの春」収録

著者紹介