飆風

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電子あり

飆風

ヒョウフウ

文芸(単行本)

作家になることは悪人になることだ。生きることで他人を傷つけ、小説を書くことで自らをも痛めつけてゆく。すさまじい作家が、己の精神を追い込み、崩壊していく様を曝した、最後の私小説ーー「靴と下駄とスリッパが空中を飛んでいるんだ。ほら、そこに。」「くうちゃん、何言ってるの。何も飛んでいないじゃない。」「いや。飛んでいるんだ。階段も廊下も流れているし。」「変ねェ。何も流れていないじゃない。いつもの通りじゃない。」「ああ、俺は気が狂った。アロエの毒を呑まされた。」「誰に。」「誰だか分からない。俺の頭の中を風が吹いていくんだ。」「風?」(本文より)


ⒸJunko Takahashi

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書誌情報

紙版

発売日

2005年02月09日

ISBN

9784062128087

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

212ページ

電子版

発売日

2020年08月28日

JDCN

06A0000000000097719J

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    桃の実一ヶ

    初出

    『群像』2004年10月号

  • 作品名

    密告

    初出

    『新潮』2004年4月号(2004年新年号掲載の「刑務所の裏」を併録)

  • 作品名

    飆風

    初出

    『群像』2004年2月号

  • 作品名

    私の小説論

    初出

    『文學界』2004年2月号

著者紹介

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