
追跡
ツイセキ
- 著: 千野 隆司

追い詰めろ。仇を取れ。真犯人はあいつだ!
父の死から18年後――生き残った菊右衛門を奈落の底に落とすことが、遺児・磯市の生きるよすがとなっていた。
角次郎と乙蔵は、「菊田川」で、ともに将来を嘱望される板前だったが、ある日、角次郎は永代橋の欄干から落ちて、死んでしまった。乙蔵は、角次郎の妻子の面倒を見続け、また「菊田川」を継いで、深川でも指折りの料理屋にした。が一方で、あの事件は、乙蔵の陰謀だったという噂が、まことしやかに流れていた。事件から18年後、角次郎の遺児・磯市は取り立て屋になっていた。磯市は噂を信じていた。菊右衛門を破滅させることが、唯一の生きる目標であった。
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書誌情報
紙版
発売日
2005年05月12日
ISBN
9784062128711
判型
四六
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
278ページ