
黍の花ゆれる
キビノハナユレル
- 著: 植松 三十里

いつかは鹿児島に帰ってゆく“流人”西郷隆盛を、強く、いさぎよく支えた奄美の島妻・愛加那。凛として、生きる。
安政6年、西郷吉之助は、“流人”として奄美大島に降り立った。島の名家・龍家の縁戚にあたる愛加那は、西郷の島妻となった。出会いの時から西郷に拒否され、また、いずれ別れが来ることを承知している愛加那だったが、西郷が、心静かに過ごせるようにと尽くしているうちに、2人の心は通い合うようになっていった。黍の花は穂を垂らさず、天に向かい、まっすぐに立つ。強く、いさぎよい花――西郷が黍の花に託した想いを、愛加那は胸に刻みつけて、奄美で生き抜いた。
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書誌情報
紙版
発売日
2005年06月11日
ISBN
9784062129022
判型
四六
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
270ページ