
方法叙説
ホウホウジョセツ
- 著: 松浦 寿輝

わたしはここで――この場所で、人生のこの時点で――、わたしのやりかたについて語ってみたいと思う。
批評、詩、小説――松浦寿輝という多様体が、自らの創造の根底を見つめ、その言葉の生まれるパトス、「美の発見の瞬間」に迫るエクリチュール。
奇術師ダイ・ヴァーノンの手が作り出す幻影の中に見るトポロジカルな意匠、体表面を滑りゆく泡の中に生まれる宇宙、夕暮れの不忍池に投げ込んだ石の生み出す波紋とその幼少期の記憶、機中から見下ろした光点と光線とが作り出すパリというイリュミネーション。多様でありながら流変するその意匠の深部を覗き込み、そこに映る創造の根底を描き出した松浦寿輝のエッセンス。
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書誌情報
紙版
発売日
2006年02月22日
ISBN
9784062129732
判型
四六変型
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
174ページ
初出
『批評空間』第2期23号(’99年10月)、24号(’00年1月)、25号(’00年4月)、『群像』’04年9月号。ただし本書を構成するに当たってかなりの加筆と組み替えが施されている。