
女ひとり世界に翔ぶ
オンナヒトリセカイニトブウチガワカラミタセカイギンコウニジュウハチネン
- 著: 小野 節子

なぜ日本は国際社会でここまで軽視されるのか?
使命感に駆られて飛び込んだ世界銀行は、政治力なしには生き抜けない、野心と利権の渦巻く“ジャングル”だった……理想と現実がせめぎあう世界銀行の現場を赤裸々に描く!
ここは西洋文化が支配するところである。担当する業務のすべての責任を一手に握り、強力なリーダーシップを発揮して、独裁的に振る舞うことが要求される。マネジメントのカルチャーが日本のそれとは基本的に異なるのである。だから、大蔵省から出向している官僚たちは、世界銀行や米州開発銀行内では、能力のない人たちと認識されていた。国際機関でのポスト獲得は、本省で煙たがられている人を一時的に外に出すのにも利用されていた。そのようにして一時的にきた人たちは、本省での自分の復権、サバイバルのことしか頭にない。そのために、どうやって人脈をつくるかに腐心する。せっかく国際舞台にいながら、日本人との人脈を強化して、何年か先によりよい天下り先を得ることばかり考えている人に、世界において日本のために貢献する姿勢など望むべくもない。――<本文より抜粋>
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目次
プロローグ 国際公務員としての9・11体験
第1章 国際人とは何か 初々しい情熱
第2章 日本人であるとは何か 揺れる情熱
第3章 貧困とは何か 現実に直面する情熱
第4章 人間の悪とは何か 苦悩する情熱
第5章 人間の美しさとは何か 信じる情熱
第6章 自分であるとは何か 自問する情熱
第7章 善意とは何か くじけない情熱
第8章 政治とは何か 考える情熱
第9章 利己心とは何か 闘う情熱
第10章 喜びとは何か 再生する情熱
書誌情報
紙版
発売日
2005年08月31日
ISBN
9784062130134
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
270ページ