絹ばあちゃんと90年の旅

絹ばあちゃんと90年の旅

キヌバアチャント90ネンノタビマボロシノキュウマンシュウニイキテ

波瀾万丈!昭和の激動に翻弄された日本女性!!
1939年に渡満し、ソ連軍の満州進攻で転々とするなか中共八路軍従軍看護婦に、そして中華人民共和国成立後もハルピン医大で看護婦養成のために留用され、終戦から8年後の1953年に帰国。忘れたいけれど忘れられない「戦争」の傷痕!!
忘れたいのに忘れられないことってありませんか!?

おととしの夏に綏化にも行ったの。跡形もなかったね。格納庫さえあれば骨くらい持ってこれると思ったんだけどさ、ただただ広い大豆畑だった。避難民を埋めた所とか印くらい残してもいいのにね。1人や2人じゃないんだから。何百だか何千だか。でもさ、関東軍の格納庫だったんだものね、中国の人の中には恨み持ってる人だっているよね。それが、こんな所に人間たくさん埋めやがってってさ。(中略)あの子どもたち、死ななければよかったのに。いい子だったのにね、死んだからよけいいい子だよ。――<本文より>


  • 前巻
  • 次巻

目次

第1章 過去を語る人 語らない人
第2章 満州国静岡村岳陽郷にて
第3章 生きるための戦争
第4章 自由不自由
第5章 生きてきたこと嘘じゃない

書誌情報

紙版

発売日

2005年07月23日

ISBN

9784062130196

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

198ページ

初出

『いろり』(サンパティック・カフェ)2000年3号~2002年7号 『母の友』(福音館)2003年4月号~2004年3月号、2004年10月号~2005年3月号

著者紹介