「驕る日本」と闘った男

「驕る日本」と闘った男

オゴルニホントタタカッタオトコニチロコウワジョウヤクノブタイウラトアサカワカンイチ

国家主義志向が国を誤らせる!
日本が戦勝気分に浮かれ、ナショナリズムが高揚したとき、「増長する日本人」に警鐘を鳴らした青年学者。日露戦争とポーツマス条約に焦点を当て、現代日本のあり方に一石を投じる問題作!

日露戦争、ポーツマス条約から100年を経て、朝河が東アジアに目指した理想はいまだ実現せず、朝河が闘った、新興の国民国家の台頭に伴う国民の増長や驕りは決して過去の出来事になっていない。東西冷戦が終わり、グローバリズムが経済の国境を低める一方、各国のナショナリズムはかえって強まり、現実的で冷静な外交を凌駕しようとしている。戦勝に浮かれる日本人の増長を戒め、驕りと闘い、日本人が長じていたはずの「反省力」を発揮することを訴えた朝河の叫びは決して色あせていないのである。ポーツマス条約100周年を機に朝河の時代を超えた叫びに耳を傾けるのは、こうした風潮に対して、異なった視点から日露戦争を見直すことにもなろう。――<「序章」より>


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目次

序章 日露戦争勝利の光と影
第1章 二本松戦争の残照
第2章 洗礼をうけたサムライ
第3章 新旧文明「日露」の衝突
第4章 在米秘密工作とルーズベルト
第5章 日露講和条約、草案作りの舞台裏
第6章 歴史から消された「2人の男」
第7章 禍のきざし
第8章 黙殺された祖国愛
終章 排外的ナショナリズムへの警鐘

書誌情報

紙版

発売日

2005年09月03日

ISBN

9784062131032

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

278ページ

著者紹介