
おしゃべり目玉の貫太郎
オシャベリメダマノカンタロウ
- 著: 鈴木 公子
夫、目玉しか動かない鈴木貫太郎、74歳。病名、ロックトイン症候群。
妻、ときどき介護をさぼって、山登りにでかける鈴木公子、70歳。
どうやって会話をするの?どうやって食事をするの?
奇跡の夫婦、涙と笑いの45年物語。
今から27年前、47歳の働き盛りのとき、私の夫・鈴木貫太郎はゴルフのプレー中に場内の崖から転落し、コンクリートの側溝に頭を強打して意識を失った。脳幹部の太い動脈に血栓が生じ、医師から「この状態で生きのびた例はほとんどありません。生きながらえても植物状態です……」と説明されたときには、あまりの言葉に涙も出なかった。首都高速道路公団で設計の仕事に携わっていた貫太郎、43歳の私、そして高校生の長男、長女、小学生の次男と貫太郎の父の6人家族。3人の子どもに恵まれ、それなりに幸せな生活を送っていたわが家はそのときから暗転、「地獄」になった。――<「まえがき」より>
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書誌情報
紙版
発売日
2007年04月14日
ISBN
9784062132022
判型
四六
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
238ページ
初出
『第2回文の京文芸賞』の最終選考候補作品『おしゃべり目玉と25年』に加筆したもの。