明香ちゃんの心臓 <検証>東京女子医大病院事件

明香ちゃんの心臓 <検証>東京女子医大病院事件

アキカチャンノシンゾウケンショウトウキョウジョシイダイビョウインジケン

日本一の病院で心臓手術を受けた、12歳の少女が死んだ。
死因は隠蔽され、記録は改竄された。
悲劇を繰り返さないために、渾身のノンフィクション、600枚。

「おい!ボコッて言ったぞ!」
執刀医は慌てて術野の周囲に敷いたマグネット板を外し、異常を探った。脱血カニューレは目に見える範囲の大半が空気で埋まり、透明になっていた。脱血カニューレの途中から下に血液がない。泡状の空気の塊が、今度は60センチもの長さだ。右心房にも、蟹が吹くような泡が噴き出している。誰も経験したことがない異常事態が、目の前で起きていた。――<「第2章 第5手術室で何が起きたのか」より>

目次より――
●明香ちゃんが病院で死んだ
●「春が来て みんなの笑顔に さようなら」
●第5手術室で何が起きたのか
●両親への報告はこうして行われた
●「患者の顔も見ないで、よく手術ができるね」
●東京女子医大附属日本心臓血圧研究所(心研)の戦後史
●二医師の逮捕
●病院が変わることを信じて
●特定機能病院の再承認への道
●人工心肺医の無罪判決

第29回講談社ノンフィクション賞受賞


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書誌情報

紙版

発売日

2007年04月21日

ISBN

9784062133227

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

310ページ

著者紹介