徳富蘇峰 終戦後日記2 『頑蘇夢物語』続篇
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徳富蘇峰 終戦後日記2 『頑蘇夢物語』続篇

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中国から共産党の野坂参三が帰国し、食糧メーデーでは参加者が天皇に面会を求めて「米よこせ」と叫び、極東軍事裁判も始まり騒然とした1946年。蘇峰は貴族院議員を辞し、文化勲章も返上して熱海に蟄居、未曾有の敗北の原因を探り、役所や軍の腐敗を厳しく指弾した。勝てば官軍、負ければ賊かと東京裁判に疑問を呈し、昭和天皇の退位が必要と説く。マッカーサーの米国化政策から日本をどう護るべきか、復活の道を探る。


60年ぶりに初公開され、反響を呼んだ徳富蘇峰の日記『頑蘇夢物語』の続篇。
中国から共産党の野坂参三が帰国し、食糧メーデーでは参加者が天皇に面会を求める一方、極東軍事裁判が始まるなど、騒然とした1946年。貴族院議員を辞し、文化勲章も返上して熱海に蟄居した蘇峰は、未曾有の敗北の原因を探り、役所や軍の腐敗を厳しく指弾する。また占領軍、マッカーサーの純米国化政策より日本をいかにして護るべきか考察。新憲法案を批判し、勝てば官軍、負ければ賊かと東京裁判に疑問を呈し、日本独自の皇室制度を守るためにも、昭和天皇の退位が必要と説く。終戦後一年、未曾有の敗北から日本の歴史を再検討し、祖国の行く末を憂える蘇峰の心情を読みとる。


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目次

『頑蘇夢物語』六巻 満州事変以来の成り行きをを考察/降伏以来半年、一切が功利一遍に/紀元節は「嘘の骨頂」か/失われた大我に殉ずる精神/マッカーサーの一大選挙干渉
『頑蘇夢物語』七巻 現実の日本/勝てば官軍、負ければ賊/日本の同化に対する米国の策図/ソ聯世界制覇の野望/晩節のミルトンと予/
『頑蘇夢物語』八巻 皇室の尊厳地に墜つ/天皇の戦争責任/政局混沌、財界乱脈の責任/以毒制毒、マッカーサーと共産党/天皇会見運動と食糧メーデー/皇室の安泰と今上の御退位/主上の食糧問題御放送/敗者日本人に気骨あれ/東京裁判と新聞記者放送/米国の弗外交/対米借款問題と英ソ両国/英米その地位を顛倒す/破綻百出の英帝国/深刻化する米英対ソ連の葛藤/米国の苦手 ソ連と罷業同盟/共産党とローマ法王ブレーキを掛くるか、マッカーサー政策/共産党の妄動,逆に天皇制を支持す/他

書誌情報

紙版

発売日

2006年12月06日

ISBN

9784062136921

判型

四六

価格

定価:2,860円(本体2,600円)

ページ数

438ページ

電子版

発売日

2012年04月13日

JDCN

0621369200100011000O

著者紹介

著: 徳富 蘇峰(トクトミ ソホウ)

徳富蘇峰は、1863年熊本生まれ。名は猪一郎。明治20年民友社を設立して、『国民之友』『国民新聞』を発行。貴族院議員を経て評論家、歴史家として活躍。『近世日本国民史』により、学士院恩賜賞を受章。戦争中は大日本言論報国会長。終戦後は公職追放をうけ熱海に蟄居。昭和32年逝去。主著に『将来之日本』『大正の青年と帝国の前途』『静思余録』『時務一家言』『蘇峰自伝』などがある。

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