ナショナリズムの由来

ナショナリズムの由来

ナショナリズムノユライ

第61回毎日出版文化賞(人文・社会部門)受賞
あらゆる知を博捜し、15年の歳月をかけて考究した待望の巨編2000枚、ついに成る!
資本主義、ファシズム、イスラーム、キリスト教……民族、国家、近代、帝国……
人類最後の難問 ナショナリズムを解く!

大澤社会学の記念碑的達成!
ナショナリズムは近代社会に固有な現象である。……だが、近代を探究する者、近代を知る者にとって、ナショナリズムは躓きの石である。――<本書「あとがき」より>

さらに、考えてみれば、資本主義とは過剰なゴミを生産するシステムである、と言えなくもない。ある社会システムが資本主義であるかどうかを判定するには、製品が、その使用価値を失う前に廃棄されているかどうかを見ればよい。資本主義は、人々に、製品がまだ十分に使用に耐える内に、その製品を捨て去り、新たな製品へと置き換えることを要求する。だから、ゴミは、資本主義の陰画であり、双子の随伴物である。ゴミが芸術となるとき、実は、資本主義が、死んだ、停止した様態において展示されているのである。ところで、ナショナリズムの現在が、芸術の現在と同じダイナミズムに規定されているのだとすれば、われわれが探究すべき鍵は、やはり、資本主義にあるはずだ。――<本書「予告編」より>


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目次

予告編
第1部 原型:ナショナリズムの由来
 1.普遍主義の倒錯
 2.ネーション成立以前/以降
 3.前駆的ナショナリズム
 4.ナショナリズムの諸類型
 5.資本主義とナショナリズム
 第1部 総括
第2部 変型:ナショナリズムの最後・後の波
 1.2種類の小説
 2.沈黙の語り
 3.「終わり」の終わりに残るもの
 4.多文化主義的転回
 5.Coda
 第2部 総括
補論 ファシズムの生成
 1.ファシズムの現在
 2.資本としての「精神」
 3.記憶=忘却
結びに代えて――救世主について

書誌情報

紙版

発売日

2007年06月30日

ISBN

9784062139977

判型

A5

価格

定価:5,238円(本体4,762円)

ページ数

888ページ

著者紹介