
書庫の母
ショコノハハ
- 著: 辻井 喬

いまは亡き人たちへ。
生と死、現在と記憶のあわいを描いた珠玉の作品集。
書庫の暗がりに浮かぶ母の残光。その幻の光が映し出す人たちの姿。パリに消えた妹、父への想い――。家族を巡る6篇の私的短篇小説集。
転居するために書庫を整理する「僕」。残された母の蔵書に目をとめた「僕」は、その中に、もうひとりの母の姿を見つける。父のこと、歌人たちとの交流、そしてある死刑囚の存在。書庫の薄暗がりに映し出された揺れ動く心を描く表題作と「死刑囚と母」、父への想いを語る「遅い詫状」、パリに消えた妹を訪ねる「落葉」、「いもうと探し」、ほか1篇。『父の肖像』野間文芸賞受賞作家が描きだした、6篇の傑作、私的短篇小説集。
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書誌情報
紙版
発売日
2007年10月14日
ISBN
9784062141697
判型
A5
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
222ページ
初出
収録作品参照
収録作品
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作品名初出
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作品名
落葉
初出
『文學界』2007年2月号
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作品名
書庫の母
初出
『群像』2005年4月号
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作品名
いもうと探し
初出
『小説トリッパー』2006年春号
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作品名
遅い詫状
初出
『表現者』第六号収録のものを加筆
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作品名
死刑囚と母
初出
『群像』2007年5月号
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作品名
余生
初出
『新潮』2006年1月号