
父と子の中学受験合格物語
チチトコノチュウガクジュケンゴウカクモノガタリ
- 著: 増田 晶文
天王山(=小6の夏)のある日、作家の父は決意した。
「オマエの受験戦争、従軍記者として見届けてやる!」
本邦初の「カウントダウン・受験ノンフィクション」
2007年春、一人の少年が中学受験に挑んだ。作家・増田晶文氏の一粒種だ。
今年は首都圏の小学6年生の6人に1人、実に5万人以上の少年たちが中学入試を受
けたと報じられている。まさに「空前の中学受験ブーム」の到来である。
いまでは小学4年生から塾に通うのは「常識」で、それに加えて家庭教師、個人指導
塾などに頼らなければ、有名校合格はおぼつかないと言われる。著者は当初、そうした
現状に嫌悪を覚え、「けっして『中学受験狂騒曲』には踊らされまい」と決意していた。
ところが愛する息子が本格的な受験戦争に突入すると、しだいにその渦に巻き込まれ
ていく。そして8月のある日、作家としてすべてを書き残す決意を固めたのである。
〈息子と妻はしばしば路頭に迷ったし戦況判断にも戸惑った。私にしても、進軍する息
子と妻の本隊に同じく、泥濘に足をとられたり、目の前に爆弾が落ちたり、小さな勝利
に思わずバンザイを叫んでみたり……受験戦線での出来事は右往左往のうえ悲喜こもご
も、気の休まることがない。しかも退路は断たれており、何がなんでも突進するしかな
かった。これから始まる物語は悪戦苦闘の連続だ。――「はじめに」より〉
マスダ家の奮闘を記録したこの一冊は、受験という避けて通れない難局に挑むすべて
の家族にとって、まちがいなく一つの「道しるべ」となるはずである。
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書誌情報
紙版
発売日
2007年11月22日
ISBN
9784062143646
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
322ページ
著者紹介
1960年大阪府生まれ。近畿大学附属小学校、清風中学・高校を経て同志社大学法学部卒。 1998年に「果てなき渇望」で文藝春秋Numberスポーツノンフィクション新人賞、2000 年に「フィリピデスの懊悩」で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。スポーツ、 お笑い、教育など幅広いテーマで執筆活動を続ける。著書に『速すぎたランナー』(小学 館)、『大学は学生に何ができるか』(プレジデント社)、『果てなき渇望』『うまい日本酒 はどこにある?』『吉本興業の正体』(いずれも草思社)など。