本格ミステリ館焼失

本格ミステリ館焼失

ホンカクミステリカンショウシツ

文芸(単行本)

森の中の閉ざされた館が崩れ落ち そして誰もいなくなった!?
愛する叔父の死の真相を探る 奈々緒、その驚愕の結末とは?本格ミステリへの愛と蘊蓄に充ちた傑作が誕生――これぞ、21世紀の「ザ・火沼(?)マ-ダー」だ!

ニィは、瞳の色とは逆の、冷たく冴えた眼差しで生首を凝視した。/やがて、ニィの唇から、低い唸り声が洩れてきた。/奈々緒がいくら耳をそばだてても、呪文かなにかのようで、意味の一片も聞きとれなかった。/ほどなく、多田野が言った。/「訳します」/そして、始まった。――(本文第1章より)

突如、磯崎の体が宗形の体の上に崩れた。ぴくぴくと足の先がいく度か動いて、それっきりになった。/私は仰天した。/「どうしたんです、海さん」/テーブルの下に入ろうとした。/その時、苦痛が、まるで天井が覆いかぶさってきたかのような苦痛が、私の脳天を襲った。/な な お――(本文第9章より)

――今は亡き作家と編集者に贈る、渾身の衝撃作


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書誌情報

紙版

発売日

2007年12月15日

ISBN

9784062143950

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

302ページ

著者紹介